「自発的に動け」という言葉に潜む矛盾について | 医療特化型の研修・組織開発ならアクリート・ワークス

「自発的に動け」という言葉に潜む矛盾について

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管理職研修などで上司の話を聴いていると、「メンバーが自発的に動いてくれない、自発的に動けと口酸っぱく言っているのだけど・・・」という悩みは少なくありません。

 

 

私自身も、“自発的に”勉強をしようとしない息子を何度注意してきたことか。

ですので、まったくエラそうなことは言えません(笑)。

と同時に、「自発的に動け」という声かけが効果のないものであることも熟知しています(笑)

 

 

それで思い出したのが、以下の話。

 

 


ポール・ワツラウィック(Paul Waltzwick)は、「自発的に動け(Be spontaneous)」という矛盾をかつて指摘したことがある。大人が子どもに、「自発的に勉強しなさい」と指示したとしよう。それを聞いて勉強しだしたら、自発的に勉強したことにならない。同様に、会社の研究開発部門で、研究室長がスタッフに、「自発的に工夫してどんどん実験しなさい」と命令したら、これも同じ矛盾を生み出す。その言葉で、実験に着手したら、自発的であれという部分には背くことになる。

 

「働くみんなのモチベーション論」金井壽宏著より引用


 

 

確かに、「自発的に動け」と言ってメンバーが一時的に動くケースもありますが、その根底には「上司を怒らせたくない」「自分の評価を下げたくない」という外発的動機づけがあります。それが、見せかけの自発性という薄い皮に覆われてしまうことで、かえって上司部下の関係を歪めてしまうことも少なくないように思います。

 

 

東京大学総合教育研究センターの中原淳先生が、著書の中で、コピーライターの糸井重里さんの以下のような言葉を紹介していました。

 

 


「魚を飼うということは、水を飼うということである」。とにかく、健康な水をキープできていれば、魚は元気に生き続ける。魚を飼っている、なんて思わないほうがいい。水を飼っていると考えたほうがうまくいく。あなたのいる環境は、元気ですか?

糸井重里「今日のダーリン」2004年4月23日より


 

 

「元気に動け」とメンバーに命令しても、環境が悪ければ動きたくても動けない。一方良い環境を創ってやりさえすれば、メンバーは誰かに命令されなくても元気で動くもの。そんなことを教えてくれる良いメタファーです。

 

 

真の自発性とは、良い環境の中から「産まれるもの」であり、無理やり「産ませる」ものではないのでしょうね。

 

 

守屋文貴

 

 

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    医師、株式会社アクリート・ワークス代表パートナー
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