
もし、あなたがクラスの学級委員だったとしたら・・・
先生から好かれたいですか?
それともクラスメートから好かれたいですか?
管理職研修でこんな問いを投げかけると、大多数の人が「先生から好かれなくてもいい。クラスメートからは嫌われたくない。」と答えます。
クラス全員から無視されたりすることは恐ろしいですから当たり前です。
病院の管理職もクラスの学級委員と似たようなところあります。
病院の管理職は、経営と現場の「板挟み」の中で組織全体のバランスを取っていかなければいけない難しいポジションです。しかし、そのバランスは「現場から嫌われないように」という方向へ崩れやすいのが特徴です。特に新任管理職にその傾向は顕著です。ついこないだまで「仲間」だった人たちに嫌われたくありません。そうすると、管理職が自部署の利益のみを主張する「代弁者」になってしまうのです。
管理職には病院全体の利益を考えて、苦しくても経営と現場の間(はざま)に立ち続けるんだという役割認識が求められます。
それが、部署間(ヨコ方向)のモメゴトや経営‐現場間(タテ方向)のモメゴトを建設的に解消していくための下地となるのです。
研修でこの話をすると、最初は管理職の皆さんは、「え~」という反応であまりに損な役回りにウンザリした顔をします。
ただ、数回研修を重ねていくと、いつの間にかそれが当然の認識に変わっていくのが不思議です。
人は、よく分からないまま苦しいよりも、きちんと説明がつく苦しさの方がはるかに受け入れやすいのだと思います。
しかし、同時に管理職は組織が抱える矛盾や負荷が集中する大変なポジションであることは間違いありません。
管理職に対してプレッシャーを押し付けるだけではなく、その心身の健康を支える仕組み、能力を高めるための教育機会なども同時に整備していく姿勢も必要だと思います。
関連記事:「病院管理職が陥りがちな5つの反応パターンとは?」
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守屋文貴
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