啐啄(そったく)の機 ~「教える」と「育つ」の狭間で~ | 医療特化型の研修・組織開発ならアクリート・ワークス

啐啄(そったく)の機 ~「教える」と「育つ」の狭間で~

啐啄(そったく)の機

 

 

「啐啄(そったく)の機」という言葉があります。

 


“啐”とは雛が孵化しようとしているとき,雛が内からつつく音のこと。

“啄”とは、母鳥が外からそれを外側からコツコツとつつく音のこと。

この両者のタイミングが一致していることが重要で、親鳥のサポートが早すぎても、遅すぎても、雛は死んでしまう。

 

つまり、「人を育てる際には、機(タイミング)が大事」ということを意味しています。


 

 

自身をふりかえってみても、人生の節目節目で、その時の自分が必要な学びに出会ってきたように思います。

裏を返せば、その時自分が必要だと思っていないものと出会っても心に響かなかったと言えます。

 

 

私のコーチングとの出会いはかなり前で、ヘルスケアベンチャーの創業メンバーとして四苦八苦している頃でした。

確か、2004年頃だったと思います。多摩大学の真野俊樹先生の勉強会で、外部講師の方を招いて講義をされました。

ビジネスのことで頭が一杯だった私には、コーチングに全く興味が湧きませんでした(笑)

 

 

ところが、ベンチャーを辞めることになり、次の道を考えるタイミングでもう一度コーチングに出会います。その頃キャリア迷子になり、悩んでいた私にとって、“自分の強みや動機の源を発掘し、自分自身の内側にあるモヤモヤを言語化していく”コーチングはとても魅力的に感じたのです。

 

 

これを教える立場から考えてみれば、タイミング良く人に何かを伝える、アドバイスをするということは本当に難しいことだと思います。

 

 

自戒をこめて言うと、私自身は「相手が望んでいないことも、教えたくなってしまう」お節介気質です。

 

 

自分の子育てを振り返ってみても、長男(現中1)のときには、私が「何とかその力を伸ばしてやりたい」と前のめりになりがちでした。

ボールを少し蹴っただけで、サッカースクールに連れて行ったり、魚に興味を持てばすぐに釣りに連れていったり・・・

 

 

今振り返ってみると、いつもほんの少しだけ卵の殻を外側からつつくタイミングが早かった、“待つ”ということが足りなかった、と反省しています。

親が先回りして与えすぎることによって、息子が自分の内側で「何かをやってみたい」という気持ちを本当に熟成させていくという機会を奪っていたのかもしれないなと思うのです。

 

 

そして、これは部下育成においても重要だと思います。

 

 

もちろん、上司が「学ばせたい」「気付いてほしい」こともあるでしょう。

しかし、それを先回りしすぎることによる弊害もあります。

部下が本当に何かの壁に当たり、自分で殻を破ろうと決意する瞬間が訪れることがあります。

 

「教える」が「育つ」を追い越さないようにすること、

やがて訪れるその瞬間を「待つ」ことも、必要なのではないかと思います。

 

 

個人的には、人にお節介を焼きすぎないように自分を戒めていきたいと思います。

 

 

守屋文貴

 

 

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    医師、株式会社アクリート・ワークス代表パートナー
    医療機関を対象としたマネジメントスキル研修を実施している。

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