話し合いにおける「権威勾配」の影響を弱めるための3つのポイント | 医療特化型の研修・組織開発ならアクリート・ワークス

話し合いにおける「権威勾配」の影響を弱めるための3つのポイント

権威勾配1

 

 

「権威勾配」の存在に悩みを抱える医療従事者は少なくありません。

 

 

権威勾配がキツければ、メンバーどうしの双方向のコミュニケーションが阻害され、上位者の「顔色を窺う」ような話し合いになりがちです。

 

 

上位者にその「あり方」を変えてもらうのが早いのですが、簡単ではありません。権威のパワーは、下位者には良くその存在が見えるのですが、上位者が「自分が場にどのような影響を与えているか」を自覚することは難しいのです。

 

 

しかし、下位のポジションであっても権威勾配の影響を弱め、話し合いの質を高めることは不可能ではありません。

 

 

今日は、私が医療チームのファシリテーションにおいて意識している「3つのポイント」について整理していきたいと思います。

 

 

それは以下の3つです。

 

 

1、「権威」ではなく、「目的と目標」にスポットライトを当てること

2、板書によって、“権威”と“主張”を分離すること

3、堂々と発言すべきことを発言すること

 

 

ひとつずつ、解説していきましょう。

 

 


1、「権威」ではなく、「目的と目標」にスポットライトを当てること

 

 

権威勾配2

 

 

上位者の顔色を見ながら参加者が恐る恐る発言しているときは、スポットライトが「権威」に当たっている状態です。光が当たる場所をずらすことが出来れば、「権威」の影響を弱めることができます。

 

 

そのような状況に遭遇したら、話し合いのそもそもの「目的や目標」にスポットライトを当て直すことです。

 

 

例えば、「このプロジェクトのミッションってなんでしたっけ?」、「この話ってそもそもどういう背景から出てきたんでしたっけ?」といったシンプルな問いを場に投げてみることです。

 

 

明確かつ納得感のある目標をベースにおいて議論することは、場に(権威ではない)新しい判断基準をもたらしてくれます。

 

 

そうすると相対的に「権威」が話し合いの意思決定に与える影響が弱まっていきます。「権威」を弱めるのではなく、「影響」を弱めるのです。

 

 

2、板書によって、“権威”と“主張”を分離すること

 

 

権威勾配3

 

 

口頭で話し合っていると、“人”と“主張”が「ピッタリ貼りついている」状態に陥りやすくなります。誰かに自分の意見を批判されたときなどに、自分自身が否定されたような感覚に陥るときなどはまさにこの状態です。

 

 

このような状態で、上位者の「主張」を否定することは、「上位者」を否定することに結び付きやすくなるため、上位者に対して「モノ申す」ことは難しくなります。

 

 

板書することの一つの意味は、「“人”と““主張”を分離すること/“権威”と“主張”を分離すること」です。ホワイトボードなどを用いて話し合うことには、内容を「見える化」するという効果だけではなく、「権威」の影響を弱める効果があるのです。

 

 

3、堂々と発言すべきことを発言すること

 

権威勾配4

 

 

当たり前のことですが、権威勾配は上位者だけがつくるものではなく、上位者と下位者の「コラボレーション」によってつくられています。

 

 

「エライ人」がいるのは、「エラそうにさせる人」がいるからです。

 

 

私の知人の経営者のところには、色々な営業マンが来ます。面白いのは、営業マンの態度によって、知人の態度が違うことです(知人は良い人です 笑)。

 

 

変にへりくだって遠慮がちに提案してくる営業マンへの知人の対応は「上から目線」になりがちです(笑)。逆に堂々と提案してくる営業マンに対しては、知人もしっかり「同じ目線」で対応しています。

 

 

つまり、下位者の「あり方」によっても、権威の勾配はキツくなったりユルくなったりするのです。

 

 

上位者に相対するときは、自ら下のポジションに入り込む必要はありません。権威に配慮しすぎてビクつけば、自ら権威勾配を場に産みだしていることになります。委縮せず、堂々と発言すればいいのです。

 

 


 

 

個人的には、3番目がとても大事だと思います。

 

 

自分も、ちょっと人に何か強く言われるとドキドキしてしまう性格です。特にあまり面識がない病院長や教授が参加するようなワークショップのファシリテーションは今でも緊張します。

 

 

しかし、研修やワークショップの場などで、ファシリテーターが上位者に配慮しすぎれば、場全体に影響を与えてしまいます。ファシリテーターが「何が起こったとしても死ぬことはない」と腹を括って関わることで、はじめて良い場が創れるように思います。

 

 

そんなときに、自分に言い聞かせている言葉は、ガンジーの「Be the change you want to see in the world.(あなたがこの場に創りだしたい変化に、あなた自身がなりなさい)」という言葉です。やはり、何か本当に良い場をつくりたければ、自らが勇気を持ってそれを体現することが大事だと思います。

 

 

そして、もう一つ勇気を自分に与えてくれるものがあるとすれば、それは「役割認識」です「自分の役割はどんなことで、この場ですべきことは何か?」という軸を持つと、それが自分の背中を押してくれます。

 

 

多職種で話し合う際など、権威のパワーにビビってしまいそうなときにも、「患者さんのために、今この瞬間に自分がすべきことは何か?」という問いを持っておくことが自分の「よりどころ」になるはずです。

 

 

守屋文貴

 

 

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    医師、株式会社アクリート・ワークス代表パートナー
    医療機関を対象としたマネジメントスキル研修を実施している。

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