
先週、地域医療機能推進機構(JCHO)のサードレベルで、様々な医療機関から集まった看護師の幹部クラスの皆さんに病院の「組織デザイン論」をテーマに研修をしてきました。将来、病院の中枢を担っていく方たちだけあって、学習意欲が高くこちらも気合が入ります。
私が講師を務めるのは4年目になりますが、数年前に私の研修を受講してくださった方が、JCHOの教員になられていて再会出来たことも嬉しいことでした。
そして、その方に「同期のメンバーのつながりは健在で、学会などで会うと、今でもあの時の楽しかった研修の話題になるんですよ。」とフィードバックをもらい、講師冥利に尽きるなと思いました。
そして、記憶の底に眠っていた「ヒトデの物語」をふと思い出しました。
それはこんな話です。
ある朝早く、1人の男が打ち寄せる波を見ながら海岸を歩いていると、数え切れないくらいのヒトデが砂浜に打ち上げられ日干しになって死にかけていることに気がついた。
その異常な光景にしばし茫然としていると、ふと遠くの方で若い女が1つ1つのヒトデを拾い上げては海に向かって投げ返している姿が目に入る。男はその女のところまで近づいていき、こう声をかけた。
「そんなことしたって時間の無駄じゃないか。こんなにたくさんのヒトデがあるのに、そんなことしたっていったい何の意味があるんだい?」
すると、その女は足元にあったヒトデを1つ拾い上げると思い切り海に向かって投げ返し、
「あのヒトデにとっては意味があったわ」と言ってさらに足元にある別のヒトデに手を伸ばした。
「コーチングバイブル」より
海のように広い医療界にあって、自分がしているのは波打ち際でヒトデを投げ返すような小さな仕事だと思います。時には「自分のやっていることは、意味があるのだろうか?」と感じることもあります。でも、この話は「私の研修を受けた人にとって“意味があった”“気づきがあった”、そんな仕事ができればそれでいい」と思い出させてくれるのです。
夢を持ちつつも、“今この瞬間”を大切に、一つ一つ良い仕事を積み重ねていきたい、と思いを新たにした一日でした。
守屋文貴
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